(英エコノミスト誌 2014年3月15日号) 世界最大の年金基金は投資の仕方を変えつつあり、市場に大きな影響を及ぼすだろう。 億万長者の投資家、ジョージ・ソロス氏は1月にダボスで安倍晋三首相と会った時、資産運用について強く訴えかけた。伝えられるところによれば、日本の巨大な公的年金基金はもっとリスクを取る必要がある、とソロス氏は安倍氏に語ったという。 128兆6000億円(1兆2500億ドル)の運用資産を持つ年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は世界最大の公的部門の投資家であり、他国のライバル機関や中東の政府系ファンド(SWF)よりも大きい。 だが、その山のような資金は、日本円の札束を布団の下に詰め込むのとあまり変わらない冒険心のない投資戦略を使う、リスクを嫌う官僚によって運営されている。GPIFは、資産の3分の2を債券で保有しており、そのほとんどが日本国内の様々な債券だ。投資初心者の