十二代加賀藩主前田斉広(なりなが)公の文化六年(1809)、金沢城二の丸御殿が新造された折、その祝賀用に創案された菓子である。創案者は前田家御用の七代樫田吉造の内儀とされる。よほど斉広公が気に入られたのだろう、文政六年(1823)の竹沢御殿落成時にも用いられた記録が残る。 おめでたい福俵、打出の小槌、砂金袋をかたどった餅種を焼き、金を表す黄と銀を表す白に仕上げる。中に金沢の婚礼調度に用いられる土人形のミニチュアと、小型の金花糖を入れたところが妙味である。 明治以降、正月菓子として金沢の菓子屋がこぞって売り出したが、現在も扱っているのは諸江屋のみである。 北國新聞 出版局 月刊「アクタス」より ※この商品は毎年12月中のみ製造販売されます 【加賀ゆかりの菓子について】 この菓子は、加賀の菓子文化の歴史を再現するため特別に作られました。 記・加賀百萬石 【加賀ゆかりの菓子】 現在発売中 B5版