激しい与野党対立から一人でも味方を増やしたいはずの国会で、なぜか双方から「仲間じゃない」と“敬遠”されている勢力がある。消費増税などを掲げる野田政権に反対し、民主党の中堅・若手衆院議員9人が離党して結成したばかりの「新党きづな」だ。「数は力」の永田町に生じた珍現象のワケとは?【青木純】 現在、衆院予算委員会は来年度予算案の審議中。きづなの質問時間は「与野党どちらにも属さない」として与野党の合間に設定されている。 「25分という貴重な時間をいただき、本当に感謝を申し上げます」。1日の衆院予算委員会、質問に立ったきづなの斎藤恭紀政調会長は、そう切り出すと、周囲に頭を下げた。 きづなは与党か、野党か--。予算委での各党の質問時間を決める理事会は、この問題で何度ももめた。 予算委の質問時間は与党枠と野党枠に分け、その枠内で各党が質問時間を分け合う。与野党はともに「仲間ではないから」と配分を拒否。最
落ち着いた議論で合意形成を目指す「熟議」が、日本から失われつつある。相手の攻撃に明け暮れる国会、短期間に大きくぶれる民意……。「熟議の国会」を訴える仙谷由人・民主党政調会長代行、討論の要素を加えた新たな世論調査を提唱する曽根泰教・慶応大大学院教授に処方箋を聞いた。【立会人・尾中香尚里政治部副部長、写真・岩下幸一郎】 ◆民意と国会が補完関係に--民主党政調会長代行・仙谷由人氏 ◆政策論議も国民が責任を--慶応大大学院教授・曽根泰教氏 ◇「ねじれ国会」の現実 立会人 仙谷さんは野党時代から「熟議の民主主義」を訴えてきましたが、現実の国会は熟議にはほど遠い状況です。 仙谷氏 ベルリンの壁崩壊やソ連解体を受け、政治は「資本主義対社会主義」という「体制選択」から「政策競争」の時代に移りました。与野党が議会で議論を詰め、合意を練り上げることが政治の本質だと考えます。 しかし日本は「議会は政府追及の場」
印刷 田中直紀防衛相への質問攻勢に自民党内から異論が出ている。クイズまがいの質問も多く、「やりすぎではないか」と反発する声も。週明けも田中氏出席で衆院予算委員会が続くが、質問者も見識を問われるとの意識があるようだ。 「堂々たる審議をやってほしい。クイズはやらない方がいい」。自民党町村派の町村信孝会長は9日の派閥の会合で、田中氏への質問に苦言を呈した。公明党との8日の幹部会では自民党幹部が、妻の田中真紀子氏が委員長の衆院外務委員会に田中防衛相を呼び「夫婦を並べてみては」と提案。だが、別の党幹部は「自民党はバラエティーではない」と不快感を表明した。 党執行部は、答弁で迷走を繰り返す田中氏に攻勢をかける方針を変えてはいないが、問責決議案を直ちに提出する考えはいまのところない。「田中さんは奥さんに鍛えられているから、いまのやり方ではこたえない」(幹部)と、政策論でじっくり勝負すべきだとの意見
橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」が、次期衆院選の公約となる「維新版・船中八策」の策定過程で、政策の一つとして「参院の廃止」についても検討していることが10日、維新関係者への取材で分かった。参院の形骸化が指摘される中、世論などを見極めながら盛り込むかどうかを判断するとみられる。 維新内部には、参院について、衆院と異なり解散がないことで中長期的な課題に取り組めるという本来の理念が失われているとの見方がある。衆院と同様に政党色が強まることで、ねじれ国会が生まれることにもつながっている。 一方、橋下市長は10日、船中八策の中に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加を盛り込む方針を明らかにするとともに、外交・安全保障では日米同盟を基軸とする考えも示した。 橋下市長は「国のアイデンティティーはしっかり意識するが、マーケットについては国境を意識しないのが基本方針」と強調。「自主独立の軍事力
安住淳財務相が10日の衆院予算委員会で、円売り・ドル買いの為替介入の目安となる円相場に言及したことが、波紋を広げている。政府が為替介入を行う際の具体的な水準を示すのは異例で、財務省幹部は「質問者が用意したパネルを読み上げただけ」と火消しに躍起となった。為替相場の動向に大きな影響力を持つ財務相の異例の発言には、欧米など海外当局の反発も予想され、財務省を慌てさせたようだ。 安住氏は10日午前の予算委で、昨年10月末に実施した大規模な円売り市場介入について「(1ドル=)75円63銭で介入を指示し、78円20銭でやめた」と答弁。これが事実なら、政府が介入する際の円相場のターゲットゾーン(目標相場圏)を示したことになる。このため、76円を突破する円高では市場の介入警戒感が強まる一方、78円台前半まで下落すれば円が買われやすくなり、当面はこの範囲で上げ下げを繰り返す公算が大きくなる。邦銀の為替担当者に
安住淳財務相は10日午前の衆院予算委員会で、昨年10月末に実施した円売り介入について「75円63銭の時点で介入しないと日本経済にとって大きな危機的な状況が及ぶということで指示をした。78円20銭のところでやめたので納得をしたのかという話だが、年末までの間でみると77~78円台で推移してい
沖縄県宜野湾市長選(12日投開票)をめぐり、真部朗(まなべ・ろう)沖縄防衛局長の「講話」やメール情報が共産党に流れたことが防衛省に衝撃を与えたが、実は共産党でも動揺が広がっている。1月31日の衆院予算委員会での赤嶺政賢議員による「爆弾質問」の内容が政府側に漏れていたことが分かったからだ。 これを暴露したのは田中直紀防衛相だった。赤嶺氏の質問を受け「この委員会に出席をする前に事務次官からこういう質問があるのではないかという指摘をいただき、局としてそういう事実があってはいけないということで調査している」と述べたのだ。 秘密主義を信条とする共産党にはかなりのショックだった。関係者は「講話問題は機関紙『しんぶん赤旗』にもスクープさせず、赤嶺氏が国会で衝撃的に暴露する戦略だったのに…。明らかに党内から外部に情報が漏れた」と疑心暗鬼を隠さない。 素人防衛相のうっかり暴露は、共産党の動向をウオッチしてき
自民党の佐藤正久参院議員は7日昼のテレビ朝日の番組で、衆参予算委員会での田中直紀防衛相に対し自民党議員から防衛政策上の知識を試すような質疑が相次いだことについて「すべて防衛相として知ってておかしくない」と述べた。与党などから「クイズのようだ」と批判の声があがっていることに対し、反論したものだ。 一例として、田中氏が南スーダンに派遣中の自衛隊を警護する役割を担う国を答えられなかったことを挙げ、「隊員を派遣しているときの指揮官が安全にとって一番大事な警護部隊を知らないなんてありえない」と指摘した。 一方で「防衛省が支えていないように見えるが、聞いてみると説明しているそうだ。なかなか(田中氏の知識として)蓄積していない面もあるらしい」と述べ、防衛省の事務方を擁護し、田中氏の資質の問題との見方を示した。・“軍事オタク”石破氏にしどろもどろ 防衛相、「動的防衛力」「自衛隊の合憲性」答えられず・「懸念
防衛省は6日、田中防衛相の事務秘書官について、体調不良を理由に萬浪(まんなみ)学氏から、大臣官房企画官の吉田孝弘氏に交代させる人事を発令した。 吉田氏は北沢俊美元防衛相の秘書官も経験しており、異例の再登板となる。 これに関連し、田中氏は6日午前の参院予算委員会で、秘書官交代の理由について「(萬浪氏の)体調不良だ」と説明した。 田中氏は1月31日の参院予算委を約15分間、無断中座した際、国会内の食堂でコーヒーを飲んだことについては、「日頃のクセで座るだけでなく、コーヒーを頼む(のが当然という)精神だった。飲んだかどうか覚えていないが、今後はこの委員会、(防衛相)在籍期間は、国会内ではコーヒーを飲むことはしない決意で臨みたい」と釈明した。
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