双子や三つ子などの多胎児を妊娠した場合に胎児数を減らす「減胎手術」について、産科医院「諏訪マタニティークリニック」(長野県下諏訪町)が、染色体などに異常がある胎児を選んで36件の減胎手術を行っていたことが5日、分かった。母体保護法には減胎手術の規定はなく、厚生労働省の審議会は平成12年、母子の健康に危険がある場合に限って手術を認める報告書を出した。しかし、胎児の異常を理由に中絶することは認めておらず、議論を呼びそうだ。 減胎手術は、妊婦が複数の胎児を妊娠した場合に、一部の胎児に塩化カリウム液を注入するなどして子宮内で心停止させる処置。残った胎児は妊娠が継続される。通常は胎児の異常が分からない妊娠初期(12週未満)に行われる。海外では、性別や病気の有無などによって減らす胎児を選別する例が報告されているが、日本では認められていない。 同クリニックの根津八紘(ねづ・やひろ)院長によると、クリニッ