天才物理学者、アインシュタインが20世紀前半に提唱した理論に、2つの相対性理論がある。おそらく人類の99・99%以上は相対性理論を完全には理解していない。私も大枠しか分からない。 特殊相対性理論によれば、移動速度が速い場合、時間はゆっくりと進み、そこにある時計は遅れる。一般相対性理論によれば、強い重力を受けた状態下でも時間はゆっくりと進み、やはりそこにある時計は遅れる。 ただ、私たちが日常生活で「時間の流れる速度が、移動速度や重力次第で変化する」という場面を体験することはない。自らの経験や思考の枠を超えた相対性理論を、物理学と無縁な人は「そんなバカな」「それは違う」などと考える。 実は、カーナビやスマホで利用されるGPSは、2つの相対性理論のおかげで機能している。 GPSは4つ以上の人工衛星の軌道や位置、時刻の情報に基づき、観測点の座標を計算する。時刻の正確な情報が必要なので、GPS衛星に