宮崎県大会、清武運動公園。2月はオリックスのキャンプ地になる球場だ。 その日、都城高は第2試合だった。前の晩からの雨がまだ残っていて、グラウンドコンディションが良くない中で、第1試合を強行。なんとか試合終了まで持ち込んだところで、雨が強くなった。 観客の多くは、屋根のある場所に避難して雨を避けているが、ネット裏、スカウトたちの集団だけは、徐々に強くなる雨にも、傘をさして座ったまま動かない。 次の試合、都城高・山本の球筋を確かめるために、朝から陣取った大切な「仕事場」なのだ。 試合前のシートノックもできないほど、グラウンドに水が浮いて、「たいへん残念ではございますが……」と、第2試合順延のアナウンスが流れても、スカウトたちが動かない。 「なんだよ~。残念なのは、こっちのほうだよ」 誰かの“泣き”が聞こえて、ようやく帰り支度を始めたスカウトのひとりが、 「明日は見られないんです、他のところで見
![オリックス山本由伸23歳、5年前“ドラフト4位”まで他の11球団は指名しなかった…他球団スカウト「当時177cmでちょっと小粒に見えた」(安倍昌彦)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6e5b4b9be91449405846e57192dc35ee01d681b2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2F8%2F-%2Fimg_f836c9336d0b2d5d22fd6c3a26a4891773973.jpg)