日本企業の中国離れが一段と加速する。サプライチェーン(部品の調達・供給網)を中国などから国内に戻したり、他の地域に移したりする際に補助金を支給する経済産業省の制度に応募が殺到しているのだ。中国メディアは懸念の打ち消しに躍起だが、経産省は来年度に向けて新たに同制度の予算要求を行う意向だ。菅義偉政権になっても多くの日本企業にとって「脱中国」の方向性は変わらない。 ◇ 経産省は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、サプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)性が顕在化したとして、国内の生産拠点の整備などを進め、サプライチェーンの強化を図る目的で工場の新設や設備の導入を支援している。 公募は5月22日から開始し、先行締め切りでは57件、約574億円が採択された。中小企業だけでなく、塩野義製薬やシャープなどの大企業も名を連ねている。生活用品大手のアイリスオーヤマ(仙台市)は、補助金によって、中国の大連工場