一昔前までは、エンゲル係数なんて、大して注目される指標ではなかった。年々、経済成長によって豊かになることが当たり前であり、家計調査で見るそれは、単調に低下していくだけの面白味のない数字に過ぎなかった。ところが、1997年以降は変わった。日本は、かつてより豊かになれなくなり、貧しさが募るようになったのである。 ……… エンゲル係数とは、消費支出に占める食料費の割合である。1990年以降の動向を、家計調査(2人以上世帯)で示すと、下図のとおりである。異変が起こったのは、消費増税が行われた1997年だった。1974年のオイルショック以来、23年ぶりの明確な上昇を記録し、翌年も続けて悪化した。その後、景気の回復に伴い、いったんは低下を見せたものの、2005年を境として、上昇傾向へと転じた。 エンゲル係数の上昇は、食べるために、より多くのお金を割かねばならなくなったことを表し、要するに、国民の生活が
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