4月16日、580億円もの仮想通貨の流出が起きた「コインチェック」が、ネット証券大手の「マネックスグループ」の傘下に入り、抜本的な出直しを図ることになりました。1月末に発覚した巨額流出から2か月半。この間、金融庁は「利用者保護」と「仮想通貨育成」を両立させる難しさに直面し、異例の対応を余儀なくされました。 (経済部記者 大江麻衣子) 都心が未明から雪に見舞われた2月2日。東京・渋谷のコインチェック本社に、金融庁の検査官が次々と入っていきました。580億円にも上る巨額の仮想通貨流出から、わずか1週間。金融庁が業務改善命令を発出後、わずか4日という異例のスピードでした。 「検査官を急いで出してくれ!」 前例がない仮想通貨交換会社への立ち入り検査。金融庁では、コインチェック問題を受け、システムやマネーロンダリングに通じた検査官らが各部署から急きょ召集され、緊急の検査班が結成されていたのです。 金