日本企業とアメリカ企業の圧倒的な差 1995年のある日のことだ。日本興業銀行をやめて起業しようとしていた僕は、アメリカのアトランタでとても印象的な光景を見た。 その日、CNNに勤める友人に会いに行くと、同社のオフィスにはインターネットによるニュース配信の部署に800人近い社員が配置されていたのだ。1995年と言えばまだインターネットの通信速度は極めて遅く、日本の新聞社の配信事業の部署にいるスタッフはせいぜい4、5人、という時代。あの頃、日本のマスコミにとってニュース配信事業などは、全く力を入れるような分野ではなかった。 ところが、「売り上げはどれくらい?」と、そのCNNの友人に聞くと、彼は「そんなものはまだゼロだよ」と当たり前のように言う。たとえ売り上げが全くなくても、アメリカでは「ニュース配信」というこれから確実に来るだろう「未来」に対して、CNNのような伝統的な大メディアが大きなリソー