昨年7月14日、県主催による東通原発の運転再開の判断に向けた意見聴取会。「核燃・だまっちゃおられん津軽の会」代表、宮永崇史さんは、苦言を呈した。「意見をどう政策に生かすのか、理解しかねる」 メモをとり続ける三村申吾知事からは、何の反応もない。原発推進派も、反対派もただ話すだけで対話はなかった。 意見聴取会は三村知事の「判断材料集め」の一環だった。県は有識者による原子力安全対策検証委員会を招集し、県民説明会も開いた。それぞれの場の意見を「総合判断」したとして、知事は昨年末、東通原発の緊急安全対策を了承した。 だが、意見をどう勘案したのかは分からない。反対派も交えた多様な視点で、対策を検証することはできなかったのか。県幹部は「安全神話と言われるが、反対派は危険神話。危険を主張するだけで、建設的な議論ができない」と語る。 ◇ルール設け土台 原発推進から反原発までを集めて安全を提言する会