ロシア軍のウクライナ侵攻から1カ月あまり。いまだ出口は見えない一方で、今回の事態は、自国をどう守るのかという問いを日本にも突きつけている。 「我々がウクライナから学ぶべきは、国が侵略された時、その国民が本気で戦おうとしない限り誰も助けてくれないこと、なんですよ。代わりに戦ってもらおうなんて甘いです」。法哲学者で東京大名誉教授の井上達夫さん(67)は、厳しい口調でこう切り出した。憲法9条を中心に安全保障の問題をかねて提起してきた井上さんには、この間の国内での反応にいらだちを覚えずにはいられないという。 「ウクライナで起きたことが人ごとじゃなくて『自分ごと』なんだと本当に日本人が思っているとは思えないんだよね。ウクライナは降参すべきだとか、右派も左派も言っているでしょ。なぜロシアに非があるのにウクライナに責任転換するのか。ウクライナが降伏してごらんなさいよ、間違いなく…
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