筆者は誰かの気分を害することを極度に恐れるチキン(臆病もの)なので、炎上は何より怖い。それでも毎回、薄氷を踏む思いでこの連載を続けているのだが、毒気のまったくない文章も味気なく、時々、語気が強い言葉になって、おしかりを受けてしまったりもする。何を言われても、ものともしない「鉄のメンタル」はどうしたら鋳造できるのか、日々悶々とする小心者である。 そんな筆者以上に炎上を恐れているのが、日本の企業だ。「話題にならないより炎上したほうがいい」という趣旨のことをのたまわった県知事もいたが、話題づくりのために「確信犯」的に炎上させるケースは、少なくとも一流企業にはそれほど多くはないだろう。どこに地雷が埋まっているかわからない中で、加速度的に「チキン」になる日本企業だが、最近、図らずも、その犠牲になってしまったのが、キリンビールだ。 キリンビールの上司の説教はパワハラ? テレビ東京系のドキュメンタリー番