焦げ目がついたチーズの香ばしい匂い。ふつふつと音を立てるホワイトソース。スプーンを皿の底まで一気に差し込み、ぐっと持ちあげる。ホワイトソースとご飯がほどよく混ざり合って、スプーンの上で湯気を立てる。 いつも念には念を入れて、フーフーと息を吹きかけながら食べるのだが、それでも口に入れるとやっぱり熱い。かといって、冷めるのを待って食べるだけの辛抱もない。結局、口中を火傷しながら、ハフハフと食べることになる。 熱々のドリアは、寒い日のごちそうだ。だが、近頃はドリアを出す店が少なくなったと、ドリア好きの友人が嘆いていた。確かに以前は喫茶店(カフェではない)のメニューで、「ナポリタン」などと並んで「ドリア」とあるのをよく見かけた。 ドリアをつくるには、ホワイトソースをつくったり、オーブンで焼いたりして、手間と時間がかかる。しかも、夏場にはそれほど数が出ないメニューだろう。だからなのか、個人経営の店で