土山実男『安全保障の国際政治学―焦りと傲り』を読む。 安全保障論の良本である。 amazonの書評が丁寧なので、ぜひ目を通しておくこと。 最低限、「第1章 はじめにツキュディデスありき―国際政治の焦りと傲り」は読んでおくこと。 古代ギリシア時代の古典もバカに出来ないことがわかる(当たり前だw)。 近代の安全保障論より、よほどツキュディデスの方が冴えていた。 (本書では、「ペロポネソス戦争の叙述を通じてその根本的な戦争原因をアテネとスパルタの勢力不均衡にあると論じ、戦争の脅威は個人の心理状態ではなく外部的な勢力状態に因ると強調した」という風に要約されてしまう従来のツキュディデス解釈を批判し、その解釈が一面的であることを論じている。) その辺は、よそのブログさんのこちらの記事でも紹介されているので、是非ご一読ください。 気になったところだけ。 本書のカギ概念について(89頁)。 「セキュリティ