眉村卓『不定期エスパー1 <護衛員イシター・ロウ>』(徳間文庫) 全八巻からなる壮大なSF巨篇。先日ようやく本の墓場から発掘して読み始めたら面白い面白い。僕は眉村卓という作家は経済学における新制度学派(ノーベル経済学賞を受賞しているロナルド・コースやオリバー・ウィリアムソン)的な感覚を自然と身につけている人だと感じている。ここで制度(Institution)とは、社会におけるゲームのルールであり、社会が人間同士の相互作用のために設けるルールであり、われわれの行動にパターンを与えることにより、人間同士の相互作用に関しての不確実性を取り除くものする。制度の構成要素はフォーマルなルール、インフォーマルなルール、ルールの執行の3つの要素からなり、ふつうは政治的な制度がほかの制度をどのように設定するのかという「制度設計」の問題にある。また組織(organization)とは、ある目的のために結成され