2013-04-20 日本の朝鮮統治を「近代医学をもたらした」とおごってはいけない 韓流時代劇ブームの火付け役となった「チャングムの誓い」。主人公チャングムが医学の道を究め、どんな難病でも治してみせる話の大部分はフィクションだが、16世紀初頭、当時の朝鮮医学が世界的に見てもすぐれていたのは事実である。 15世紀には朝鮮医学を集大成した百科全書が編さんされ、中国や朝鮮、アラビアの進んだ医学がヨーロッパを大いに刺激して、西洋医学も発展した。18世紀には逆に、西洋の学問を取り入れた朝鮮医学の発展があり、チョン・ヤギョンの「麻科会通」(1798年)が代表的な医学書である。 日本では1804年に華岡青洲が、世界初の全身麻酔手術に成功しており、近代以降根強く定着した、「進んだ西洋」「遅れたアジア」あるいは「近代化に成功できたのは日本だけ」という歴史は、医学一つとっても一面的なものに過ぎない。 日