タグ

2014年11月20日のブックマーク (10件)

  • スピノザと園子温第4部「利己主義の果て・モノローグ的生」: シンジの“ほにゃらら”賛歌

    第3部「永遠の相のもとに」の続き スピノザと園子温第4部「利己主義の果て・モノローグ的生」 私たち凡人は「永遠の相のもとに」認識することもできず、苦しみ続けるしかない。結局スピノザの思想は孤独なエリート主義でしかないのか。この第4部ではスピノザ思想の中核にはある根的な危険がひそんでいることを示す。そしてスピノザ思想をつきつめた果てにはマルキ・ド・サドが、そして園子温がいることも。 スピノザ哲学の最重要概念はコナトゥス=自己保存能、自己存続の努力である。何びとたりと各人の持つコナトゥスをおびやかすことは許されず、おびやかすものを排除することができる。これがスピノザの言う自然権である。 自然状態においてはすべての人の同意に基づいて善あるいは悪であるようないかなることも存在しないことを我々は容易に知りうる。なぜなら自然状態における各人はもっぱら自己の利益のみを計り、自己の意のままにかつ自分の

    lotus3000
    lotus3000 2014/11/20
    スピノザからサドへ。
  • 映画「リンカーン」善と正義の対立: シンジの“ほにゃらら”賛歌

    映画「リンカーン」善と正義の対立 このタイトルの意味は「善」は奴隷制度廃止、「正義」は戦争回避を意味する。映画「リンカーン」では奴隷制度廃止を優先するか、南北戦争を早く終わらせるかの二択に揺れるアメリカ議会を描いている。 現代に生きる我々は当然、奴隷制度廃止が優先に決まってると思うだろう。奴隷制度はどう考えても絶対悪であり、すぐにでも廃止しなければならない制度であるのは明らかだからだ。 アメリカの有名な政治哲学者にサンデルという人がいる。彼の哲学の特徴を一言で言い表すと「正義に対する善の優越」ということになる。「善は正義に優越する」ってどゆこと?これは南北戦争を例に取れば簡単に説明できる。 リンカーンの若いときからの政敵にダグラスという人がいた。ダグラスは奴隷制度に関しては州ごとに考えが違う。だからこの問題は棚上げにして、南北の分裂を防ぐべきだと主張した。それに対しリンカーンは奴隷制度は「

    lotus3000
    lotus3000 2014/11/20
    南北戦争の死者は62万人、これは現代の比率に治すと620万人の死者になる。
  • レオ・シュトラウス問題 - martingale & Brownian motion

    レオ・シュトラウスというと、ブッシュ大統領の頃の、アメリカにおける「ネオコン」問題の頃、一時期、注目されていた記憶がある。 しかし、実際のところはどうだったのだろうか? フランシス・フクヤマが、ネオコン人脈とシュトラウス学派との関係を否定していたというのを、どこかで読んだ気がするが、今となっては、そもそも、ネオコンは、なにをやっているんでしょうかね(共和党政権復活を満を持して待ってるんですかね)。 私にとって、シュトラウスは、アラン・ブルームという弟子の『アメリカン・マインドの終焉』を通して見る、秘教的エリート主義の御尊くらいの位置付けしかなかったし、『ヘーゲル読解入門』のアレクサンドル・コジェーブとも親交の深い、そういう意味では、ポストモダンとも関係した人物といった感じであったわけである。 この米国でシュトラウスは何を考えたか、これが「レオ・シュトラウス問題」で、この主題をめぐっては、

    レオ・シュトラウス問題 - martingale & Brownian motion
  • 高野和明「ジェノサイド」は支離滅裂である: シンジの“ほにゃらら”賛歌

    高野和明「ジェノサイド」を読む。 この物語の要旨はこうだ。-地球上で最も罪深く、有害な動物は人類だ。そして悲惨な暴力が渦巻くこの世界を人間の努力によって改善することは不可能である。この世界の悲惨な状況を救うには人間の能力をはるかに超えた、神のような知能を持った「神人」(god man)による独裁しかない。・・・という作者の考えがこの作品の根底にある。これはニヒリズム、というより単なる支離滅裂ではないか、というのも作中「神人」の独裁による帰結は人類の絶滅であると示唆されている。それはつまりこういうことだ、人類は暴力的で残虐な生物であり、この美しい地球に値しない下等生物である。だから全員死ね!(笑)。これって映画「ゲド戦記」のネタにあったよね。 「命を大切にしない奴なんて大嫌いだ!・・・死ね!」 これが「ジェノサイド」のメッセージですw --------------------- イプセン「野

  • 敵の物理的なプレッシャーがかかっても、練習通りのことを淡々とこなすのが本物の技術 -千田善『オシムの戦術』を読む- - もちつけblog・はてなブログ版(仮)

    千田善『 オシムの戦術 作者: 千田善出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2010/05メディア: 単行購入: 2人 クリック: 19回この商品を含むブログ (14件) を見る』を読んだ。 著者の親戚の関係である吉田戦車が、表紙を書いている。 ジャケ買いしちゃうぜ(マテヤコラ 以下、面白かったところを。 驚異の記憶力 オシムのそうした努力がまわりから分からりにくいのは、自分でメモを取ろうとしないことにも原因がある。試合中もそうだし、何かのメモを持って練習に現れたところも見たことがない。つまり、すべてが頭の中に仕舞い込まれているのである。  (66頁) オシムは凄い記憶力のある人なのである。 ところで、新入社員は、よほど記憶力に自信がない限りは、メモを取る(取る振りをする)方がいいぞ!w 飽きさせないために 意識して、トレーニングのメニューを毎日変えていた。この日中で一番サッカー

    敵の物理的なプレッシャーがかかっても、練習通りのことを淡々とこなすのが本物の技術 -千田善『オシムの戦術』を読む- - もちつけblog・はてなブログ版(仮)
  • 90歳のシェフ、ホームレスに食事を提供して逮捕 それでも「息をしている限り活動を続ける」

    フロリダ州のフォートローダーデール市は11月2日、「公共の場でホームレスの人々にべ物を与えた」のは条例違反だとして、90歳のアーノルド・アボット氏を逮捕した。

    90歳のシェフ、ホームレスに食事を提供して逮捕 それでも「息をしている限り活動を続ける」
  • リベラル・ナショナリストとして民族自決権を擁護する - Danas je lep dan.

    このブログを以前からお読みいただいている方は,わたしが以前「民族自決」概念を危ういものとして批判し,既存国境の内部における民族問題の解決を主張したことを憶えておいでかもしれない。だからわたしはこれまで一度もチベットの独立を主張してこなかったし,コソヴォの一方的な独立宣言(および,それに伴う欧米諸国のダブルスタンダード)を批判してきた。 国境,国民,国家――「民族自決」批判 - Danas je lep dan. 「民族自決」批判のブクマコメに応答 - Danas je lep dan. 「民族自決」という理念が多くの流血をもたらしたことは,わたしたちが重く受け止めるべきことだ。オスマン帝国の末期に生じた数え切れないほどの民族浄化の営みや,ユーゴスラヴィア解体に伴う戦争犯罪の数々と国家の分断は,紛れもなく「民族自決」が生み出した果実だ。民族自決によって成立した国家における少数派の迫害も,わた

  • 「同化」と「近代化」のはざま、あるいは、知里真志保について貴方がまだ知らないこと -藤本英夫『知里真志保の生涯』を読みながら- - もちつけblog・はてなブログ版(仮)

    知里真志保について書きたいと思う。 二つの「アイヌ」 知里『アイヌ民潭集』の後記(昭和10年2月18日)に次のようにある。 アイヌ民譚集―えぞおばけ列伝・付 (岩波文庫 赤 81-1) 作者: 知里真志保出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1981/07/16メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 14回この商品を含むブログ (7件) を見る 普通にいわゆる「アイヌ」という概念は、厳密にこれをいうならばよろしく「過去のアイヌ」と「現在(および将来)のアイヌ」とに区別せられるべきである。人種学的には両者はもちろん同一であるにもせよ。各々を支配する文化の内容は全然異る。前者が悠久な太古に尾を曳く来のアイヌ文化を背負って立ったに対し、後者は侮蔑と屈辱の附きまとう伝統の殻を破って、日文化を直接に受継いでいる。 (略) 当然に区別さるべき二概念が、「アイヌ」なる一語によって漫然と代表せられて

    「同化」と「近代化」のはざま、あるいは、知里真志保について貴方がまだ知らないこと -藤本英夫『知里真志保の生涯』を読みながら- - もちつけblog・はてなブログ版(仮)
  • 性愛と時間・映画「私の男」評: シンジの“ほにゃらら”賛歌

    性愛と時間・映画「私の男」評 映画「私の男」を観て、いい映画なんだけどうまく言語化できなくて困っている人もいるのではないかと思い、私なりに説明のされない場面の言語化を試みようと思います。おもに「性愛」を軸にして考察します。 一、「性愛と所有」 「俺はおまえのものだ」 津波にあい、家族を失った少女、花(二階堂ふみ)を引き取る淳悟(浅野忠信)は自分の家へ連れて帰る車の中で泣き出した花をなぐさめるためにこの言葉をかける。「お前は俺のものだ」ではなく、その逆の意味「私はあなたの所有物です」という言葉をかける。これは被災地で大きなペットボトルを胸に抱え誰にも渡そうとしなかった花の心に火をともす。 すべてを奪われた花にとってペットボトルを「所有」することだけが、自分が自分でいることを維持することだった。そしてそのことを能的に悟った淳悟の適切な言葉。「俺はおまえのものだ」により、花は淳悟を「所有」する

    性愛と時間・映画「私の男」評: シンジの“ほにゃらら”賛歌
    lotus3000
    lotus3000 2014/11/20
  • 読みたい文学に出逢えたらいいね―『池澤夏樹の世界文学リミックス』 | 考えるための書評集

    池澤夏樹の個人編集で「世界文学全集」が2007年11月から2011年3月まで河出書房新社から刊行された。全30巻。 むかしは世界文学全集が各家庭に百科事典のようにおかれるような時代もあったようだが、文学が教養だった時代ははるかとおくに。ジャンプが読まれてみんなマンガ読んだり、テレビ映画でも恥ずかしくないという時代になった。マンガや映像があるのだから、わざわざ活字でなんてという発想があるのだろうね。 はたしてこの世界文学全集はどのくらい読まれて、どのような人たちにうけいれられたのだろうね。 わたしは二十年前ほどかたっぱしから世界文学をおもに新潮文庫で読んでいたが、現代思想とか社会学のほうに興味をうつした。文学は思想みたいにものをはっきりいってくれないからね。 さいきんの文学はどのようなものあるのかと探ろうと思ったら、このようなはお役に立つね。カタログ映画の予告編みたいなもので、文学へ