今期朝ドラの料理はなぜあんなに「美味しそうに見えない」のか。 その謎を解明すべくチムドンの奥地へ…とは旅立たないけど、料理が話題になった回の前後をとにかくオンデマンドで見てみた。 わたしは飲食業界に関わるメディアで仕事をしていて、シェフやフードスタイリスト、レシピ開発の知人もいる。 彼らから、苦情にも似た声が来る。 わたしは4月末ですでに離脱済みなのに。 結論としては、すべての料理が 〈けがれなき無垢な主人公〉 という設定のための“小道具”にすぎないから、ということだ。 ◆◇◆ たしかに、ひと目で疑問符しか浮かばない料理、扱われ方が雑すぎて痛々しい料理、味と衛生面に不安と心配がよぎる料理…の数々が目立つ。 料理監修云々より、そもそも制作陣に食への敬意とこだわりがない。 たとえば、漁港の食堂でイカ刺しを食べるシーン。 主人公の食べ方も相当おかしいけど、最も象徴的なのは、食べる途中にツマの大根