ダブダブのズボンを下着が見えるまでズリ下げて着こなす(あるいは「着崩す」)「腰パン」の本家は、米国である。 「サギング」、あるいは「サギー・パンツ」と呼ばれるこのファッション、米国で激しい論争の対象にもなっている。ここ数年、公序良俗を乱すとして、罰金刑や禁固刑を科す規制条例が一部の市で施行される動きが相次いだ。ところが逮捕された若者が裁判に訴えるなどした結果、こうした条例は表現の自由を保障した憲法に違反するとの判決も出始めた。 人々が、けんけんがくがくの議論を戦わせる理由のひとつは、「腰パン」が、人種問題や世代対立とからんだ「反抗」や「挑戦」のメッセージを含んだファッションだからだろう。 発祥には諸説あるが、黒人文化を源流とするという点ではおおむね一致している。囚人服をイメージさせるダブダブの服によって「刑務所帰り」を想起させるのがねらいとの説もある。こうしたセンスを理解できない人や我慢で