日航ジャンボ機墜落事故現場の「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村)で昨年7月に完了した登山道整備事業で、日本航空が、経営難のため負担金を支払えず、慰霊事業を行う財団法人「慰霊の園」(上野村)の基金約5億5000万円のうち1200万円を取り崩していたことが分かった。 昨年2月の財団理事会で、日航が2010年から3年をかけて財団に返すことを申し合わせていた。しかし、今年春に一部を寄付金として返還する予定が遅れ、7月になって600万円を返した。 日航は2012年までに残り600万円を返すことになっており、日航広報部は「経営難で返すのが遅れていたが、残った分も前倒しで返したい」としている。上野村は「現地で起きる土砂災害など予定外の出費に備える必要もあるので、できるかぎり早く返還してほしい」としている。 日航、群馬県、上野村の拠出金と寄付金をもとに設立された財団の事業は、基金の運用益や寄付金などでまかなわ