事故発生から4カ月余りが過ぎましたが、知床観光に携わる者として何カ月が過ぎようが「区切り」というものはありません。事故の記憶は今後もずっと背負い続けなければいけません。それほど大きな事故でした。今も斜里町役場には献花台が設けられ、被害に遭われた関係者や道内外の来町者が献花に訪れています。 斜里・羅臼両町にまたがる知床は2005年7月、世界自然遺産に登録されました。ヒグマやシャチなど野生動物を観察する観光船と、知床連山や知床五湖へのトレッキングなどを楽しむネーチャーガイドの2つが、観光業の柱です。閑散期だった2~3月に実施する流氷や厳冬期の自然と触れ合うエコツアーなども、近年は人気を集めています。一年を通して観光客が来るようになり、斜里町への年間観光客数はコロナ禍前まで、日帰り客と宿泊客の合計で約120万人に達していました。それがコロナ禍後の20年に71万人、21年には53万人まで落ち込んだ