東京でいわゆる隔離生活をしている。検疫所から求められた経過観察だ。 私は今月、イランから家族とともに待避した。ほっとしたような気持ちと、イランの人たちがこれだけ大変な状況なのに自分だけ離れて良いのだろうかという思いと、両方ある。 イランでは新型コロナウイルスの感染が公式に確認されると、その数は急速に膨れあがり、とりわけ死者の多さが注目された。そのときイランはどうなっていたのか、見聞きした範囲で書き記しておこうと思う。 私がテヘラン支局に赴任したのは去年の8月。すぐに核開発をめぐるアメリカとの対立や、イラクやシリアと言った周辺国との関係取材に追われることになった。 ことしに入っても、1月はソレイマニ司令官の暗殺、アメリカと一触即発の軍事危機、2月は4年に1度の議会選挙。忙しい日々が途切れることはなかった。 選挙が終わればひと息つけるかも。そんなことを考えていた2月19日、イラン保健省の報道官