いわゆる「モラトリアム法案」をめぐる言動など、鳩山政権の台風の目となっている亀井静香郵政・金融担当相が「記者会見のオープン化」についても大きなアクションを起こした。記者クラブに対して会見開放を呼びかけたものの断られたため、自ら会見を開くという行動に出たのだ。 記者クラブの結論は「オープン化しない」 「(記者クラブは)頭が古いので、自分でやることにしました」 金融庁17階の大臣室で、2009年10月5日の午前11時50分から開かれた会見。亀井担当相は業を煮やした様子で切り出した。大臣室には、日経ビジネスや日刊ゲンダイ、日刊スポーツの記者にまじって、米国紙ウォールストリートジャーナルの女性記者もいた。いずれも金融庁の記者クラブに所属していない者ばかり。記者クラブ主催の会見のすぐ後に開催された「もうひとつの会見」だった。 「結構、封建的なことをやっているのだね、あなたたちは。もう、全部オープンに
今週のコラムニスト:レジス・アルノー トイレを修理してもらうために呼んだ業者にこんなことを言われたら、どうだろう。「うーん。ちょっと待ってください。セカンドオピニオンを聞かないと」。さらに悪いことに、医者にこう言われたら?「おかしな病気ですね。医者を呼んできます!」 8月30日の総選挙で民主党本部に詰めていたとき、私の頭に浮かんだのはこんなバカげた光景だった。日本のジャーナリスト5人に、次々と同じ質問をされたのだ。「政権交代をどう思いますか」 そういう疑問に答えるのが、ジャーナリストの役目ではないのか。そもそもそのために給料をもらっているのでは。その場に居合わせたイギリス人ジャーナリストが私に言った。「よくあんな質問に答えましたね。あんなものはジャーナリズムじゃない。日本の記者はただ騒いでいるだけ。今夜、この国が根本から変わったことを理解していない」 総選挙を境に日本は根底から変わった──
元木昌彦氏の「週刊誌は死なず」 元週刊現代編集長で、ついでに言えば元オーマイニュース編集長でもある元木昌彦氏の週刊誌は死なず (朝日新書)という新刊を読んだ。この中に、「ネットの影響を受けているのは新聞も同じである」として次のようなくだりがある。すこし長いが引用しよう。 しばらく前に、朝比奈豊毎日新聞社長と若宮啓文朝日新聞元論説主幹と話す機会があった。私は、こうした人たちと会う時、必ず聞いてみることがある。それは「どの新聞社もネットを充実させればさせるほど紙の部数が落ち込んでいることで悩んでいる。ここら辺で、新聞社が”談合”して、情報(ニュース)はタダという風潮を断ち切り、有料化に踏み切ってはどうか」ということである。 談合という言葉は刺激的すぎるが、要は、日本語という狭いマーケットの中で、バラバラに情報を垂れ流し合っていても、広告収入で採算をとるのは不可能に近い。「Yahoo!」など巨大
【日テレやらせ】焼肉店・床に肉を叩きつけるシーンは嘘「テレビ局に言われてやった」 2009年5月31日 日本テレビ『The サンデー NEXT』(2009年5月30日放送)で、池袋の焼肉店『清江苑』の韓国人シェフが「床に肉を叩きつけて美味しくする」として、土足で人間たちが歩く地面に牛肉を叩きつけているシーンが放送され、「衛生的に問題があるのでは?」とインターネットの掲示板で指摘させていた件で、新たな事実が判明した。 ロケットニュース24編集部が実際に『清江苑』(池袋店)に取材をしてお話をうかがったところ、「実はテレビ局のディレクターに言われてやったことで、実際はあんなことしていません」とコメント。なんと、日本テレビのディレクター(もしくは番組制作会社のディレクター)に言われ、あのようなシーンを撮影することになったというのだ! さらに驚きの事実がある。 『清江苑』のスタッフは床に叩きつけ
週刊誌記者の取材を受けた 大手週刊誌の電話取材を受けて、心が汚れたような気持ちになった。 元ライブドア社長の堀江貴文さんについての取材だった。私は5年ぶりぐらいに堀江さんに2時間ばかりのインタビューをして、その長大な一問一答が今月発売中の雑誌「サイゾー」に掲載されている。その記事を読んだ週刊誌の記者が私に電話をかけてきたのだった。 記者「サイゾーに書いてた以外で、もっとプライベートな話は聞いてないんですか。たとえばどんな遊びをしてるかとか、どんな食事をしているかとか。サイゾーのインタビューのトップページは堀江さんが大口を開けてハンバーガーを食べてる写真でしたね。やっぱりファストフードが好きなんですかね」 私「いや、ハンバーガーの写真はフォトグラファーの仕込みで、別に堀江さんがハンバーガーを好きということではないと思いますよ。あとプライベートなことは今回の取材の趣旨ではないので、とくだん聞い
フリー記者(左から2人目)から差し出された扇子にサインする羽生善治名人(左端)。郷田真隆9段(右端)は水を飲みながら様子を見守った=NHKより(写真:産経新聞) 将棋の羽生善治名人(38)に郷田真隆九段(38)が挑戦する「第67期名人戦」(朝日新聞社など主催)で10日、朝日新聞の委託を受けて観戦記者として立ち会っていたフリー記者(75)が、対局中の羽生名人にサインを求めるトラブルがあった。同社は記者に口頭で厳重注意するとともに、対局終了を待って羽生、郷田両氏や共催の毎日新聞社など関係者に陳謝する。 [フォト]「サインお願いします」の連続写真 同社によると、トラブルがあったのは名人戦第1局2日目の10日午前9時45分ごろ、羽生名人が自らの手番で44手目を考慮中、記録係と並んでいた記者が白い扇子とペンを取り出し、羽生名人にサインをするよう求めた。 羽生名人は対局を中断する形でサインに応じ
朝日新聞社内のパソコンからインターネットの掲示板に不適切な内容の書き込みがされていたことが分かった。本社は31日、この文章を書いた社員を特定し、事情を聴いたところ、投稿を認めた。 社員は東京本社編集局の校閲センター員(49)で、掲示板サイト「2ちゃんねる」に断続的に投稿していた。部落差別や精神疾患への差別を助長する内容が含まれていた。3月30日夜、外部から指摘があり本社が調査を開始した。 このセンター員は「他の投稿者と応酬するうちにエスカレートしてしまった。悪いことをしました。釈明の余地はありません」と話している。 ◆本社「厳正に処分」 朝日新聞社広報部の話 弊社社員が2ちゃんねるの掲示板にきわめて不適切な書き込みをし、多くの皆さまに不快な思いをさせ、ご迷惑をおかけしたことをおわびします。事実関係をさらに確認した上で、厳正な処分をいたします。
県内のスポーツや文化活動で活躍する中高生らを紹介する記事の取材で、ある私立高校に、取材候補の生徒が地元埼玉の出身者かを尋ねると、「個人情報なのでお答えできません」。詳しい住所まで聞いたわけではない。「保護者に了解をとって、それぐらい教えてもらえませんか」と頼んだが、それすらも断られてしまった。 個人情報保護法が施行されて約4年。個人に関する情報はどんなことでも外部に教えてはいけないという過剰な反応は根強い。最近、宇宙飛行士の若田光一さんが、宇宙に持ち込んだ小中学生ら約10万人分の写真データが、「個人情報保護のため」と顔を画像処理されて物議を醸した。 社会は個人の集合体。個人情報保護は大切だが、そのためにあまりに風通しが悪くなっては、人と人とのつながりが希薄になってしまうのではないか。【飼手勇介】
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