突然君の前にガンギマってナイフを持った男が現れたとする。 君は上級国民だ。偉い知り合いがたくさんいるし、ちょっとおおっぴらには言えないようなアブない付き合いもたくさんある。最強弁護士事務所と契約もしている。 だが、今の君は一人だ。 目の前のキマりマンは今すぐにでも君を刺し殺そうとしている。 「俺には政治家の知り合いもたくさんいるんだぞ!社会的に抹殺してやるからな!」 だが、今この場にはいない。たくさんいる政治家の知り合いも今まさに迫りくるナイフの前には無力だ。 「俺の知り合いは警察庁の長官なんだぞ!必ず捕まってぶち込まれるぞ!」 だが、今この場に警官はいない。いずれ訪れる手錠も留置所もナイフの盾にはならない。 「俺にはヤクザの知り合いもいっぱいいるんだぞ!あとでどうなるかわかってるのか!」 だが、今この場にはいない。たくさんいるヤクザの知り合いも、後から行われる凄惨な報復も今まさに迫りくる