第56回 MINIXを作った男 脇英世 2009/5/1 前のページ|1 2| 一方、これらとは逆にマルチスレッドファイルシステムのように、先進的な機能の採用も見られる。当初、Linuxは単独では動かず、MINIXの助けを借りて初めて動くOSだった。1992年1月に入ってから、やっとMINIXなしで動作するようになった。 1992年1月29日、タネンバウムはcomp.os.minixというニュースグループに「Linuxは時代遅れだ」という投稿をしている。この投稿では、いかにも尊大で高飛車な態度をとりすぎた。自分は大学教授で、OSの領域における本職の研究者であり、MINIXは片手間でやっている趣味の仕事だといった。 タネンバウムはLinuxを2つの視点から批判した。第1に、Linuxがモノリシックシステムであることを責め、MINIXのようにマイクロカーネルベースであるべきだといった。Linu