東京電力福島第1原発の処理水放出に反発し、中国政府が日本産水産物の輸入を全面禁止して24日で1年になる。中国でも人気を博した日本の海鮮はこの1年で中国産や他国産に取って代わられ、中国市場で築いてきた地位を失った。その一方で処理水を「核汚染水」と呼んで不安をあおる手法は中国自身にも跳ね返り、海鮮自体の消費低迷や関連産業への悪影響を招いている。(大連で、河北彬光)
新型コロナウイルスの急激な感染拡大が続く中、東京都医師会の尾崎治夫会長(69)が本紙のインタビューに応じた。「医師会として病院、診療所が一丸となり、コロナ診療に全力であたっている」とした上で、政府のコロナ対策や国会での与野党の議論を「もっとやることがあるはずだ」と指摘。東京五輪が感染増に影響したとの見方を示し、24日に開幕するパラリンピックについては「このような感染状況では無理だと思う」と開催に疑問を呈した。(聞き手・松尾博史)
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下、原則無観客など前例のない形で実施された東京五輪が8日、閉幕した。日本勢が過去最多の27個の金メダルを獲得する一方、ウイルスを抑え込むことはできず、1日当たりの新規感染者数は連日、各地で過去最多を更新している。コロナ禍での「平和の祭典」は何を残したのか、各界の識者に聞いた。(佐藤直子、中沢佳子)
神奈川県鎌倉市が2018年の憲法記念日に開いた講演会で、公募で選ばれた市民でつくる実行委員会が提案した憲法学者の木村草太東京都立大教授(当時は首都大学東京教授)の講師起用を、「政治的だ」という理由で市側が拒否していたことが、分かった。識者は「市民の活発な議論を下支えすることは行政の中立性を損なわない。鎌倉市の判断は民主主義に逆行している」と指摘している。(石原真樹) この講演会は「憲法記念日のつどい」。17年までは市と実行委の主催だったが、18年から主催は市で、実行委が企画・運営。市側が作成した議事録によると、実行委は17年12月に講師の選定を始め、木村教授を含む3人を候補に挙げた。ところが翌年1月の会議で市の担当者が「政治的要素が見られる」と難色を示した。委員は「全く政治性のないことはありえない」と反論し、あらためて木村教授を1番目の候補者として5人を提案した。
九州と朝鮮半島を結ぶ「日韓海底トンネル」は1910年の日韓併合後から提唱されたが、1世紀たっても実現していない。幻の計画と化してきたが、韓国の保守系野党が4月の釜山(プサン)市長補選を前に、建設を検討すると気炎を上げた。日韓関係が悪化した中、文在寅(ムンジェイン)政権は否定的だが、全くの絵空事なのか。 (ソウル・相坂穣) 「韓日海底トンネルを積極的に検討する。54兆ウォン(約5兆円)の経済効果、45万人の雇用誘発を期待できる」。韓国の最大野党「国民の力」最高幹部の金鍾仁(キムジョンイン)氏が2月上旬、市長補選を控えた釜山の視察に訪れ、近郊の加徳島(カドクド)での新空港建設案とともに、トンネル構想に言及したことで新たな論争を呼んだ。 与党「共に民主党」報道官は「韓日トンネルは、日本の利益がより多くなる“親日的”な議題。日本が先に提案もしない未成熟な論点を、首長選を控えて突然持ち出したのは、無
約半世紀にわたる潜伏生活から昨年9月に姿を現した過激派「中核派」最高指導者の清水丈夫議長(83)が27日、東京都内で会見した。公の場で活動する方針に転じた理由を「資本主義をぶっ倒すために闘わなければならない。全労働者階級人民に訴えようと思った」と述べた。警察は活動の活発化を警戒する。 中核派は1963年、「革マル派」と分裂して発足し、安保闘争や成田空港反対運動を展開。多くのテロ、ゲリラを実行し、71年に警察官が殺害された「渋谷暴動事件」を起こした。清水氏は会見で、渋谷暴動事件を「安保・沖縄闘争の発展の中でどうしても必要な闘争だった」と振り返り、人命が失われたことは「階級闘争だから仕方ない」と述べた。 清水氏は69年に潜伏生活を開始。75年に本多延嘉書記長が革マル派に殺害された後、指導的立場になったとされ、97年に議長に選ばれた。昨年9月、都内の中核派の集会に登場。近年の指導方針は誤りだった
新型コロナウイルスに対応する医療従事者に感謝を示すとして、東京都心を飛んだ航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」。好意的な声も多いが、過密状態の都心を飛んだのはこれまで3回だけだ。騒音や事故への懸念に加え、「政治利用では」との指摘が出ている。 (中沢佳子) 六機編隊のブルーインパルスは五月二十九日午後零時四十分ごろから約二十分間、文京、江東、港、世田谷区などを中心に千葉、神奈川県境付近まで8の字を描くように飛行した。都心を飛んだのは一九六四年の東京五輪開会式、二〇一四年の旧国立競技場のお別れイベント以来だ。 真っ青な空に白い筋を描いて自在に飛行する様子に人々は歓声を上げ、「感動した」「元気をもらった」などと反応は上々。メディアは「医療最前線へエール」「空から勇気」などと伝え、病院で看護師や職員が手を振る姿が報じられた。
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