新海誠「秒速5センチメートル」をよーやく観賞。ま、劇場で見ないのも正解だったかな、といったところ。これは別に否定的な評ではなく、相変わらずの彼の画風はくっきりとしたディスプレイで間近に見たほうが楽しいのが一つ、観劇直後にちょっと見返したくなるような箇所があったのが一つ。これが大感動の作品であれば、映画館で一切外界から遮断された状態で観賞、誰憚りなく泣くというのもアリだったのだけど。 総評は、えーと。「ピュアに妄想するのはいつだって男のほう」あるいは「見果てぬ夢を見てしまうと普通は不幸になる」という身も蓋も無いオハナシなので、どちらかと言えば個々のシーンの美しさを堪能する作品かな。美しさとは別に映像美というだけでなく、シチュとしての綺麗さを含んだカット毎の美、というか。全体のストーリーは、何と言うか福井晴敏を思い出させる──中身がではなく、持ち味が微妙なマンネリズムを生んでいる、という辺りが