長らくジリ貧の大阪が、或いは、日本が上向く可能性はどれくらいあるのか? 突くとすればここである。いまや、前向きな議論で橋下市長やその一派を倒すことは難しい。なにしろ「現状がイケてない」というデータも「現状を変えるためのシステム変更」という方向性も十分に説得的だ。いまの政治システムが強力な「現状維持バイアス」に縛られていることは、これまでの政権交代劇なんかを茫っと眺めているだけでも十分に想像がつく。まずは政治で物事が変えられる仕組みにしよう、とは至極まっとうな意見である。この点で橋下市長の主張に立ち向かう方法は、たぶん、ふたつしかない。ひとつは「変えるべきではない」に十分な説得力を持たせること。もうひとつは「その新しいシステムをどう使うつもりなのか?」を問うことだ。 大阪(日本)は変わらなければならない。この錦の御旗を引き摺り下ろすには「現状維持でオーケー」という民意を引き出すしかない。にも