ソーセージをこよなく愛するドイツの人々に、衝撃が走った。世界保健機関(WHO)の研究機関が10月、「ソーセージなどの加工肉には発がん性がある」と指摘したからだ。伝統の肉食文化も時代の流れには逆らえず、ドイツでも「肉離れ」が続いている。食肉業界は気が気ではない。 「メルケル、ベッケンバウアーに続いて、ドイツの『著名人』にいちゃもんがつけられた」――。 独有力週刊紙ツァイト(電子版)は10月28日の特集記事で、こう皮肉った。ここでいう「著名人」とはソーセージのこと。難民問題に苦慮するメルケル首相や、サッカーワールドカップ招致買収疑惑で窮地のベッケンバウアー氏と並んで、「伝統料理のスーパースターが危機」とセンセーショナルに報じた。 発端は、WHO傘下の国際がん研究機関が10月26日に発表した報告書だ。ソーセージやハム、ベーコンなどの加工肉を「1日50グラム食べると、結腸や直腸のがんにかかるリスク
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