法隆寺などの多くの建築、美術品にはギリシャの影響が極めて多くみられる。前回セミナー「仏教の源流を求めて」では、釈迦以前の美術品の流れの中に仏教の基になっていると考えられる作品を観てきた。今回は、仏教の教えの本質とそれを踏まえた仏像鑑賞の基礎知識、さらにギリシャ世界の盟主、アレキサンダー大王とヘレニズム文化を中心に仏教の広がりについて考える機会となった。 4回目となる細矢隆男氏のセミナー。今回のテーマは仏教美術。とりわけ日本の仏像に焦点を当てて、その源流や特徴をさぐってみた。 骨董の専門家として世界中の古美術に触れてきた細矢氏。そのなかでも「やはり日本の仏教美術はいちばん美しいと思う」という。その仏教美術の代表が全国各地に残る仏像だ。 「朝鮮から仏教が入ってきたのは西暦538年。当時の日本は飛鳥時代。最近はいなかったという説もありますが、聖徳太子の時代でした」 仏教伝来とともに造られたのが寺