福島第一原発事故で村全体が計画的避難区域となった福島県飯舘村の全11戸の酪農家でつくる同県酪農業協同組合飯舘支部は30日、乳牛の移動を断念し、飼育をやめて休業することを決めた。 原発事故後、同村産の加工前牛乳の出荷制限が続き、経営が悪化していた。今後、乳を取る成牛をすべて処分し、子牛である育成牛を売却する。 同支部によると、村内の乳牛は経営難により餌を十分に与えられず弱っており、避難させても病気になる恐れがあるほか、元のように搾乳するのが困難と判断したという。牛の処分時期などは未定。多くの酪農家はそのまま廃業に追い込まれる見通しが強まっており、同支部では東電に対し補償を求めていくとしている。