CRMシステムの導入・活用方法が分からない―。検討段階で停滞していた商談を、後発でコンペに参入したCECが逆転で受注した。ユーザー企業の経営層の攻略に注力したことが奏功した。 「計画が遅れるどころか、プロジェクト自体が消滅しかねない」。2007年10月、川澄化学工業医薬品医療機器事業部事業管理グループの石黒裕司マネジャーは頭を抱えていた。 石黒は、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)システムを検討するチームの中核メンバーであり、SIerとの商談は4カ月を超えていた。それでも「CRMシステムで実現したいこと」が確定できなかったのだ。 シーイーシー(CEC)の営業担当者が石黒に接触したのは、このころである。8月にマイクロソフトが主催するセミナーで名刺を交換したこともあり、石黒はこの営業担当者の訪問を快諾した。 MSが主役、SIerがわき役の営業 川澄化学の石黒が、CRMシステ