福井県は日本で最も自家用車保有率が高い県だ。しかし、これまで自動車に頼ってきた都市デザインも、過疎化や高齢化によってさまざまな課題が見えてきた。その課題解決のために、国の重要文化財にも指定された曹洞宗の大本山「永平寺」のお膝元永平寺町では、MaaS(Mobility as a Service)の取り組みが積極的に進められている。その一環として、永平寺町が国と福井県の支援を受けた自動走行実証実験用のオープンラボ「永平寺参ろーど」で、自動運転システムによる新交通システムの実証実験が行われた。過疎地における新交通システムの実用化には、どのような課題や展望が見えたのか。 福井県の人口は約79万人で、日本で5番目に人口が少ない県である(2019年3月現在)。一方で、福井県の1世帯当たりの自家用車保有台数は1.736台であり、これは全国で1位の数字となっている(2019年3月現在)。それくらい、福井県