ぼちぼちと、「産業分野横断的なビジネス戦略に弱い日本企業」というサブテーマから、「iPod型か亀山型か」というテーマへと、話を移していきたいと思います。 1.「顧客中心ではなく、製品中心に考えてしまう」ということ 前回のエントリでは、熊澤さんのお力を借りて、「価値連鎖のマネジメントをどう再構築するか」という視点に、比較的ミクロな組織論から触れました。そうしたら、今度はちょうど、ミクロの組織論とは対局の観点から、この問題に、バサッと別の答えを出してくれる本に出会いました。今回は、その紹介から入りたいと思います。 ご紹介するのは、T.レビットの「マーケティング論」(有賀裕子訳)です。T.レビットといえば、この世界では超有名なマーケティングの大家(06年に逝去)なわけですが、つい最近、25本の論考をまとめた和訳本が刊行されました。僕はご大層に「iPod問題」を唱えているわけですが、この本、最初の