<広域観光目指す> 北海道木古内町のJR木古内駅前で、新幹線の駅舎工事が進む。秋の日差しに白く輝く建物の前は、空き地が広がり人通りは少ない。町新幹線振興室の中尾敦室長は「木古内はもともと観光地ではないもので…」と嘆く。 松前半島は離島の奥尻町を含め全9町あるが、観光の目玉となりそうなのは、木古内町の神事「寒中みそぎ祭り」や松前町の「松前城」ぐらいだという。 「北海道新幹線が開業しても観光客の長期滞在は期待できない。昼食などに1時間でもよいので降りてもらいたい。函館のような観光コンテンツがないので、松前半島全体の観光を目指すしかない」と、周辺自治体との広域観光に力を入れる。 函館市は独自に開業準備をしており、木古内など各町は単独では誘客できない危機感がある。広域観光実現のため、本年度は「江差・松前 千年北海道手形」の販売を始めた。松前半島を周遊する定期観光バスと路線バスが3日間乗り放