有権者が投票用紙に候補者の名前を手書きする――。投票所ではごく当たり前になっている光景ですが、実は先進国では珍しいことです。「先生」たちには励みになっているようですが、こうした投票方式は専門家から「ガラパゴス化している」と指摘され、無効票などを生む背景にもなっています。なぜこのようなことになっているのでしょうか。【岡崎大輔】 「選挙人は、投票用紙に候補者1人の氏名を自書して、これを投票箱に入れなければならない」。公職選挙法46条は、国政選挙の投票についてこう記載しています(参院の比例代表は政党名なども認められています)。あるベテラン議員は、こう言います。「名前を書いてもらえるのは政治家冥利に尽きる」 しかし、公益財団法人・明るい選挙推進協会によると「国政レベルでの大規模な選挙で自書式を採用しているのは、先進国の中では日本だけ」(「くらしの中の選挙」より)。他の国々では、投票用紙に印を付ける