東京都の豊洲市場(江東区)の地下水から環境基準の最大七十九倍のベンゼンなどが検出された問題で、都の再調査の結果、前回を上回る約百倍のベンゼンが検出されたことが、都関係者への取材で分かった。検出されないことが基準のシアンも出た。十九日に開かれる都の専門家会議で結果を評価する。 七十九倍のベンゼンなどを検出した前回調査で、同会議は「地下水は飲まず、土壌と建物の間にはコンクリートなどがあり、建物内の安全は確保されている」と分析。一方、小池知事は消費者の理解が得られていないなど安心面の課題を指摘しており、今回の結果を踏まえて築地市場(中央区)から移転するかどうか判断する。 再調査は一月下旬~今月上旬、前回調査で基準を超えた場所を中心に二十九カ所で実施。関係者によると、有害物質の濃度は、場所によって前回より高くなったり低くなったりしているが、全体的な傾向は前回と同水準という。