これまで階層構造データはリレーショナルデータベースでうまく扱えませんでしたが、その解決策としてジョー・セルコが提案したのが「入れ子集合モデル」です。この手法を紹介した『プログラマのためのSQLグラフ原論』の刊行にあたり、翻訳されたDBエンジニアのミックさんに入れ子集合モデルの将来性についてうかがいました。 なぜRDBで木と階層構造を扱う手法が1冊の書籍に? ――『プログラマのためのSQLグラフ原論 リレーショナルデータベースで木と階層構造を扱うために』についてミックさんにうかがいます。最初に、本書がどういう本なのか教えていただけますか? ミック:内容としては、リレーショナルデータベース(RDB)でグラフ構造の一つである木と階層構造を扱うための方法論「入れ子集合モデル」をメインに解説しています。RDBには大きな問題があり、入れ子集合モデルがそれを解決しうる手法だと見込まれています。その問題と