●寒くなってきた。国立競技場ではニッポンU22の出場権をかけた五輪予選最終戦、vsサウジアラビア。しかしスマソ、サッカーの神様、試合は中継を録画しておいて、ヘンシェル・クァルテットへ(第一生命ホール)。ハイドンの弦楽四重奏曲第74番「騎士」(かなり楽しげ)、ヤナーチェクの弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」、ブラームスの弦楽五重奏曲第2番(+澤和樹ヴィオラ)。満喫、すばらしく。ほぼ完璧同時刻に行われているヤング・ジャパンの結果が気になるが、気になるからといって誰かにいきなり結果を教えられても困るんである。帰ってから見るんだから。でもまあ、この時間にコンサートに来てる人が、いきなり休憩中にワタシめがけて「今3対1ですよ!」とか言う心配はない。 ●ワタシは得意の妄想をはじめた。今これだけ見事なクァルテットの演奏がここにある。場所は勝どき。名前、縁起よし。同時刻の千駄ヶ谷となにかがつながっ
東京が嫌いだったわけではない。 だが、都会の暮らしに疲れていなかったと言えば嘘になる。 あのころ、たしかに元木崇(もとき・たかし)は疲れていた。バブルはとうに弾けていたが、東京での暮らしは昼も夜もなく働いたという印象しか残っていない。 そのぶん収入にはなったとしても、何かが狂っていた。20代の若造が手にしてはいけないような大金を手にし、悪い金の使い方を覚えた。こんなものは“あぶく銭”だと思うから、気晴らしにパチンコで10万円をスッても、競馬に20万円をつぎ込んでもへっちゃらだった。 心のどこかでは、これじゃいけないという思いに苛まれてもいた。10万20万という大金をつぎ込んでも平気でいられる金銭感覚に首を傾げ、生き馬の目を抜くような競争社会に身を委ねる自分を嫌悪した。仲間はいたが、一皮剥けば、みな上のポストを狙うライバルばかりだった。自分も、顔では笑っていても、いつも目をぎらつかせていたの
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く