[Part2] 神話――シンプル・高価 年1300万冊売る魔術 米国や欧州で書店、雑貨店をのぞくと、店先の目立つ場所に、黒い表紙にゴムバンドがついた、シンプルなノートが並んでいることが多い。イタリアの新興ブランド「モレスキン」だ。 ポケットに入る小さなサイズでも2000円近くと値が張るが、最近5年は年平均26%の売り上げの伸びを記録し、2010年には全世界で約1300万冊も売れた。日本でも人気が高く、モレスキンの「活用術」を書いた本まで出版された。 モレスキンの誕生は1997年。歴史も浅く、主に中国でつくられるこのノートがなぜ、高価格にもかかわらず、爆発的に売れているのか。 米シカゴ近郊に住む写真家アーマンド・フラスコ(49)に会った。友人からもらったモレスキンが気に入り、2004年に軽い気持ちで、活用法を紹介するブログ「モレスキナリー」を始めたところ、1日の閲覧者が5000~7000人に