北海道・釧路から一冊の本が届いた。「雄別炭砿閉山50年 雄別・尺別・上茶路」。かつて釧路炭田の有力炭鉱だった「雄別炭砿」の、歴史や風景、生活ぶりなどを、数多くの写真や資料で紹介している。 大手炭鉱会社だった「雄別炭砿株式会社」は、雄別炭砿、尺別炭砿など道東3カ所と石狩炭田1カ所で炭鉱を経営していたが、石炭産業の斜陽化で1970(昭和40)年に閉山、会社も解散した。計2万人近い人たちが数カ月でヤマを離れ、町が消えた。 釧路市立博物館は、雄別OB、関係者などの協力で、当時の写真や資料を掘り起こし、証言を集め、2020年には企画展も開いた。その記録集として学芸員の石川孝織さんがまとめたのが、今回の一冊だ。 鉄道ファンとして注目するのは、鉄道関係の写真、資料が豊富なこと。石炭を運び、炭鉱員や家族の足になった雄別鉄道や尺別鉄道は、生活に密着した存在で、ユニークな車両もあった。 真っ白に塗られ、洗濯機