高大接続システム改革会議の「最終報告」(高大接続システム改革会議,2016)が平成28年3月31日付で公表されました「最終報告」は高等学校教育改革,大学教育改革,大学入学者選抜改革で構成され,各テーマについてさまざまな提言がなされています。その中で特に影響が大きい提言の1つは,大学入学者選抜改革に関連して,現行の大学入試センター試験を廃止し,「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」(以下「新テスト」)を導入すること,そしてそのテストで記述式の問題を出題するということだと思います。新テストの細かい制度設計はこれから本格化していくことになりますが,本オピニオンでは,新テストについて現時点で懸念されること,今後検討しなければならないことなどを,教育測定学的な観点から挙げてみます。 「最終報告」では,学力の3要素(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・多様性・協働性」)がこれからの社会