はじめに ITの職場では、低スキル者を重要な仕事から排除することが、実はかなり重要な職場づくりの条件の一つです。ここでいう排除とは、要件定義、設計、顧客折衝、品質判断、技術的意思決定、レビュー承認のような高い認知負荷を伴う仕事に、適性を満たさない人を置かないという配置上の判断を指します。人格の否定や社会からの追放とは別の話です。 そして、本稿でいう低スキルの核心は、作業速度の遅さよりも深い場所にあります。自分の誤解を検知できない、指摘を吸収できない、分からないことを分からないと言えない。この自己修正能力の欠如こそが、本稿で扱う低スキルの正体です。この定義を先に置くのは、後で述べるとおり、排除の基準として実際に運用できるのがこの軸だけだからです。 この問題は、活字の世界では昔から語られてきました。優秀な人だけを採るべきだという主張は、海外の技術書や経営言説では定番ですらあります。しかし、職場

