1000年続く伝統行事が珍しくない京都にあって、近年、新しく年中行事として定着したものも数多くある。去る12月23日に行われた2つの年中行事もそんな中の一つである。 まずは矢田寺にて行われた「かぼちゃ供養」。矢田寺は紫陽花寺として知られる奈良の矢田寺の別院として平安時代に満慶上人によって創建されたお寺である。 満慶上人は閻魔大王に菩薩戒を授けた縁で地獄を見せてもらうこととなり、そこで見た苦しむ人々を救う地蔵菩薩の姿に感銘を受け、この世に戻って地蔵菩薩を祀ったいう逸話を持つ。矢田寺はこの縁起があることから、8月16日の五山の送り火の日には「送り鐘」を撞くことによって、先祖をあの世へ送るという年中行事を行っている。 そんな矢田寺が20年ほど前から始めたのが「かぼちゃ供養」である。冬至付近になる12月23日に、中風除けや厄除けのためにかぼちゃを参拝者に無料で振る舞うことが、年々浸透し、ここ数年で