サミュエルソンに始まり、ロバート・ソロー、スタンレー・フィッシャー、フランコ・モディリアーニ、チャールズ・キンドルバーガーらを擁したMITは、そのような伝統のなかで、世界トップレベルの経済学者、政策立案者を輩出してきた。 アカロフ、スティグリッツ、ポール・クルーグマン、ピーター・ダイアモンド、ジャン・ティロールらのノーベル賞受賞者、元FRB議長のベン・バーナンキ、前ECB総裁のマリオ・ドラギらは皆MITの伝統を受け継ぐ者たちだが、ブランシャールは今やその中心にいる。 マクロ経済学再考のとき そんなブランシャールは、2019年早々のAEA会長講演でまたしても専門家たちを驚かせている。 「マクロ経済学は数十年ぶりに生まれ変わる必要がある」 そんな内容のスピーチだったが、奇をてらうところのないブランシャールの率直な言だけに、どよめきが起きたという。 最近のブランシャールは、長引く経済の長期停滞が