自民党総裁選で選出された岸田文雄氏が首相に就任した。同党の派閥と個々の議員の利害を考えると予想できる結果だったが、世論調査では支持率が高かった河野太郎氏に大差をつけた。 河野氏は同僚である議員票が意外なまでに少なかった。日頃の「付き合い」や「面倒見」が悪かったのだろう。この結果を見て「社内の飲み会くらいは出た方がいいのかな」と思うサラリーマンがいるかもしれない。社内での出世がどれほど大切かは人によるだろうが、「社内の付き合いが悪い人は社長になれない」とは言えそうだ。 岸田首相に望みたい政策は、読者にも数多くあるのではないか。しかし、今回は一つに絞る。岸田氏は、アベノミクスを分かりやすく継承・強化することを望みたい。 今回の総裁選で岸田氏は、2%のインフレ目標を維持し、消費税を向こう10年間は上げない方針を述べた。いずれも、いわゆるアベノミクスを継承するものだ。しかし、昨年、菅義偉氏が選出さ