日本の貿易赤字の拡大に歯止めがかからない。財務省が21日発表した2022年上期(1~6月)の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は7兆9241億円の赤字だった。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに液化天然ガス(LNG)などの資源価格が高騰している上に、円安が進んで輸入価格が膨らんだ。貿易赤字の拡大は日本の国内総生産(GDP)を下押しする要因になる。燃料などの値上がりは企
いまわたしたちが直面している社会的諸問題の裏には、「心理学や進化生物学から見た、動物としての人間」と「哲学や社会や経済の担い手としての人間」のあいだにある「乖離」の存在がある。そこに横たわるギャップを埋めるにはどうしたらよいのか? ポリティカル・コレクトネス、優生思想、道徳、人種、ジェンダーなどにかかわる様々な難問に対する回答を、アカデミアや論壇で埋もれがちで、ときに不愉快で不都合でもある書物を紹介しながら探る論考、そのシーズン2の開始です。 前回の記事では、昨今の学問や言論の世界では「危害」と見なされる行為や主張の範囲が拡がっている、という問題に触れた。 これまでは危険だとされていなかった物事に危害を見出すための概念や考え方はさまざまに登場しているが、この潮流をとくに象徴するのが「マイクロアグレッション」理論である。 危害の範囲が拡大されると、「個人の自由は、他人に危害を与えない範囲内に
教会のなかで出遭う人。教会の外で不意打ちのように出遭う人。一時は精神を病み、閉鎖病棟にも入った牧師が経験した、忘れえぬ人びととの出遭いと別れ。いま、本気で死にたいと願う、そんな人びとと対話を重ねてきた牧師が語る、人との出遭いなおしの物語。いのりは、いのちとつながっている。 ニュースで連日、あるカルト宗教にまつわる報道がなされている。友人の牧師にも、カルト問題に専門的に取り組んでいる人がいる。彼から被害者の現場の話を聞くと、耳を覆いたくなるような痛ましいものばかりである。そのカルト系宗教は「キリスト教系」と分類されることがある。正直、キリスト教という語を、その宗教団体に対して用いてほしくはない。とはいえ、ニュースになっているその団体に限らず、キリスト教系の極端な宗教団体の話はしばしば耳にするし、その被害者がわたしのところに話をしにくる。もちろんわたしは「大変ですね」で済ませるのではなく、友人
日銀は今年度、2022年度の物価の見通しについて、エネルギーをはじめとした原材料価格の高騰などを背景に、前の年度と比べてプラス2.3%とこれまでのプラス1.9%から引き上げました。また、今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。 日銀は21日までの2日間、金融政策を決める会合を開いたのに合わせて、最新の経済と物価の見通しをまとめた「展望レポート」を発表しました。 それによりますと国内の景気の現状については「一部に弱めの動きもみられるが、基調としては持ち直している」というこれまでの判断から「新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐもとで持ち直している」に表現を改めました。 また、今年度、2022年度の生鮮食品を除く消費者物価指数の見通しは、政策委員の中央値でプラス2.3%と、前回、ことし4月に示したプラス1.9%から引き上げました。 これについて日銀はロシアのウクライナ侵攻の影響でエネ
1979年東京銀行(現三菱UFJ銀行)入行。為替資金部次長、調査部次長、ワシントンDC駐在員事務所長、(公益財団法人)国際通貨研究所チーフエコノミストを経て、2009年4月より現職。経済学博士(京都大学)。 政策・マーケットラボ 日々起きている政治・マクロ経済・マーケットの動きを、専門家の執筆陣が鋭く分析する。投資や事業運営の方針を立てる上で役立つ「深い知見」を身に付けよう。 バックナンバー一覧 米国は国内インフレ率の高さ(自国通貨の対内的購買力の低下)を憂い、日本は円安(自国通貨の対外的購買力の低下)を憂いている。 今回は現下のインフレ、円安、金融政策について、その是非と効果(含む副次的な効果)について考えてみよう。結論を先に言うと、今の日銀の金融政策はある程度柔軟性を増す必要があるが、「望ましい形の2%インフレ目標」を降ろすべきではない。また円安はオーバーシュートしており、いずれ到来す
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