2023年11月9日のブックマーク (4件)

  • 書評 「人を動かすルールをつくる」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    人を動かすルールをつくる――行動法学の冒険 作者:ベンヤミン・ファン・ロイ,アダム・ファインみすず書房Amazon 書はヒトがルールに対してどのように反応して行動するかという行動科学的視点にたって法(特に立法政策)を考える試み*1についての一般向けの解説書だ.著者のロイとファインはともに法学者で法と行動科学,法と行動の相互作用を専門としている*2. 法,特に刑事法は人々の行動を変えようとするものでもあり,うまく人々の行動を変えるには,ヒトがルールに対してどのように反応するかは重要な論点のはずだが,実際に法を作っている人々はそのような行動科学のトレーニングは受けていないし,非常に単純な前提しかおいていない.著者たちはそういう立法実務は非効率でり,行動科学を取り入れた法のデザインが重要だと主張している.行動経済学とちょっと似た視点にたっていて,興味深い.原題は「The Behavioral

    書評 「人を動かすルールをつくる」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    maeda_a
    maeda_a 2023/11/09
    “立法の実務家は(社会科学や行動科学を必修として学ばないので)ヒトの行動について直感に頼っているが,その多くは間違っている”
  • RIETI - 持続可能な経済社会形成に向けた新たな産業政策の論点

    新型コロナウィルスの感染症上の位置づけが5類に移行するなか、持続的な社会経済の新たな形成に向けて、今後の産業政策のあり方が問われている。稿では、コロナ禍における政策を振り返ったうえで、わが国が直面する課題のうち、4つの論点を取り上げて議論する。①価格形成について、マークアップと市場支配力との関係を論じつつ、近年のマークアップの推移にわが国独特の傾向があることを指摘する。このわが国におけるマークアップの傾向は、人口減少・少子高齢化の進展と整合的である点を論じる。②デジタル化(DX)について、データ蓄積・利活用の中央集権的な取り組みに効果がある点を文献に依拠しつつ指摘する。デジタルによるリコンビネーション化は、新たな産業構造転換を促す下地になることを論じる。③経済安全保障について、エネルギーの観点から論じる。わが国での電力システム改革を振り返りつつ、経済効率性と脱炭素を推し進めてきた結果、安

  • ブランコ・ミラノヴィッチ「公正な賃金システムはどんなものか?:資本主義、ジョン・ローマー、文化大革命」(2022年2月10日)

    1990年代、ジョン・ローマーは、“Equality of opportunity”『機会の平等』(1999)という著書を発表し、その後の不平等研究で盛んに研究されるようになった「機会の不平等」という分野の土台を作った。ローマーの重要な洞察は、個人の所得に影響する要因を3つに分解したことだ。その3つの要因とは、「環境」(ジェンダー、人種、親の所得、教育など、当該個人にはコントロールできない外的な要因)、努力によるもの、「気まぐれな運」(episodic luck)によるもの、である。「気まぐれな運」というのはローマーの用語で、ようするに私(ミラノヴィッチ)が良い職に就けたのは、その職に募集がかかっていたタイミングでたまたま応じられたからに過ぎない、ということだ。 ローマーはこのアプローチに導かれて、非常にラディカルな賃金システムを提案するようになった。ジェンダーといった外的な特徴で区切られ

    maeda_a
    maeda_a 2023/11/09
    “読者は、ローマーの提案はなんとラディカルで左翼的なのかと思っていたかもしれないが、史上最もラディカルな左翼的社会実験を突然見せつけられることとなった。両者の賃金システムの根底にある原理は正反対なのだ
  • RIETI - EBPMをめぐる研究者と政策担当者の間のギャップ

    稿では国ならびに自治体でエビデンスに基づく政策形成への取り組みが進む中で、経済産業研究所のEBPMプログラムにおいてどのような研究が進められてきたかを概観する。特に、生産性向上策、教育政策、コロナ対応の3つの角度から研究を整理し、どのような知見が得られてきたのかを整理する。そのうえで、偏りと精確性のトレードオフ、政策効果の異質性、結果の迅速性をキーにして、研究者と政策担当者の間で結果に期待するもののどこが重なり、どこが異なっているかを議論し、今後のEBPM研究において留意すべきポイントを論ずる。