前回はやや抽象的な観点から財政の維持可能性について考察してみたが、今回は少し違う観点から日本の財政について考察してみたい。 まず足元の財政を見てみる。 以下は財務省のサイトから引用した2010年度の歳出、歳入(当初予算額)の大まかな分類である。 このなかで国債費というのは、償還費と利払い費の合計である。 国債には60年償還ルールと言うものがあり、ざっくり言えば国債残高の1.6%が、毎年償還されることになっている。国債は60年より遥かに短い期間でどんどん借り換えがなされているし、国債残高は増え続けているからこの償還に現実的な意味が余り無いかもしれないが、逆に言えば別にこのルールがあってもなくても財政全体のバランスが変わるわけでもない。(又、1.6%が厳密に守られているわけでもないという話もある。 いずれにしても財政全体のバランスには影響のない話だが。) 利払い費は文字通り国債の金利負担である